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ポップコーンの缶はストライプで可愛い

登場キャラ:リス、ラメンテ



リスは悩んでいた。
悩みの先には色とりどりのリボン。
尾羽を束ねているヒモが擦り切れてきたので、買い換えようと手芸屋に立ち寄ったのが2時間前。自分の身なりに大いに気を遣う質のリスにとっては重大な問題である。教区で1番大きな手芸店は賑わっており、幸い店員に不審な目をされることは無かった。


リスは悩んでいた。
今使っている赤い細幅のリボンと同じものを買うか、気分転換にまったく違うものを買うか。帽子のリボンと色味を合わせるのなら赤が無難なのだが、最近の麗らかな日差しには強すぎる気がする。では何色にするか?そこからは目があっちへこっちへ、収拾がつかなくなってしまったのだった。


リスは悩んでいた。
青では落ち着きが過ぎる。黄色では水色の尾羽との兼ね合いが悪い。緑ではリボンが沈んでしまう。紫も同様。黒は秋に回したいし、白というほど清楚でもない。柄は無地が良い、これ以上柄物を身に着けてはうるさくなる。幅広のものも捨てがたいが、なんとなく合わない気がする。


リスは悩んでいた。



・・・



かごに入れられたのは白いチュールが幾らか重ねられたシュシュ。
プレゼント用ですか、と聞かれたのでラッピングをお願いした。袋を閉じたのは臙脂のリボンだった。丁寧な結び目はうねり、艶を形作る。
ドアの開閉音を背に歩道に出る。地面の照り返しが思いのほか眩しくて、リスは目を細めた。

坂道を上って帰路に。お昼過ぎということもあって、飲食店はどこも繁盛していた。空腹感はあまりない。腹に入れるならちゃんとしたもののほうが良い。
せっかく町に出てきたが、目的は果たしたし、そのまま帰ろうか。ウィングやジェットを使うには誰かとぶつかりすぎるので、もう少し開けた場所を探す。確かこの先に噴水広場があったから――



きょろ、とあたりを見回したリスの視界に一つのワゴンが飛び込んでくる。
ワゴンに取り付けられたガラスの炉の中で、白いモノがぽこぽこ跳ねる。白いものがキャラメル色やピンク色、黄色に彩られて、良いにおいを漂わせている。子供がきゃいきゃいと嬉しそうな声をあげてワゴンに群がっている。買うことが叶わないそれを恨めしそうに、あるいは単に目を輝かせて。


あー、と気の抜けた声を出して、しばらくワゴンを凝視した。


リスは悩んでいた。
4割引きのポップが非常に魅力的だったが、それでも高価なそれを買えるほどのお金は残っていなかった。リスに気付いた店主が良い笑顔で試食を進めてくる。
これほどの高級品を試食させてくれるなんて!受け入れてしまったら流石に後には引けなくなるだろう。甘い、香ばしい、豊かなにおいが誘ってくる。


リスは悩んでいた。



・・・



「気前が良い店主だった」
「僕ピンク色食べたい」
「これ合成香料じゃないんだってー 古いのを貰ったから安くしたんだってさ」
「で、そのポップコーン、食べさせてくれないの?」
「ラメンテさんならいくらでも買えるでしょ」
「君のお小遣いは僕から出てるんだけど、そこんとこどう思う?」
「貰ったらボクのものだし」

「あー…ほら、御託はいいからよこせよ」
「そっちがラズベリーで、こっちがキャラメル味ね」
「え、しょっぱいの無いの?」
「塩味は家でも作れるしさあ」
「市販のトウモロコシの種なんて、逆に高級品じゃないか?」
「あ、そう?トウモロコシって安い印象あって」
「なんかズレてるよねそういうところ……あ、ピンク色美味しい やばい」
「ねーっ 一番美味しかった」

「リボンもピンクにすれば良かったんじゃない?」
「うわ、そういう事言う?いいじゃん白」
「白のふわふわに赤いリボン重ねるとか、可愛らしすぎ~」
「帽子にハートつけた奴がよく言うよ」
「え、そういう事言う……」
「うっわもしかして傷ついた?めんどくさ~い」
「いや別に・・いやでもさあ……そういうのさあ……」

「文句あるならポップコーン返せよ~」
「……無い、次キャラメルとって」
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